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散り行く華は潔く、 少女の祈りと共に散れ。 嗚呼、今宵も。彼女は君に眠りつく。
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ミカゲは私の、私への苛立ちが作り上げた生き物なのか?
寂しい思いが作り上げた妄想から産まれたのか?
だけどそれでも良い。
生まれた原理がなんであれ、ミカゲが妹なのは代わりは無い。



ミカゲは唯一の私の家族なのだ。
藤原の連中は私を捨てたのだから私に帰る家は無い。
ミカゲが唯一の甘えられる対象なのだ。


ノゾミ「まったく、あんたはトロいわね。実力はあるんだからもっとテキパキやりなさいよ。」


ミカゲ「はい、お姉さま。」


昨日、鏡をなんとか手にいれた。
人間達は盗まれたと言うだろうが、これは最初は私たちの物だった。
これは私達の生命線だから絶対に守らないと。


ミカゲ「しかしお姉さま。慎重に行動して損はしません。石橋は叩いておくのがよろしいかと。」


ノゾミ「まあそれはそうね。あんたの実力なら私も知っているし。」


ミカゲと私は夜、人気の無い山の中に居た。
町の微かな明かりが見える。
田舎なのでまったく誰も出歩いて無いが。

ミカゲ「お姉さま。都会という場所は、ここよりさらに夜景が綺麗みたいです。」

ノゾミ「あらそう。だけど興味無いわね。人間がわざと明るくしている夜の街なんて偽りの世界よ。」


ミカゲ「あら意外ですわ。夜景を見に私とここに来るのに。」

ノゾミ「それは暇潰しよ、単なる。」

違うよ、ミカゲ。
私は・・。


ミカゲ「もしかして、私と二人きりに成りたいのですか?
主さまやオハシラサマから離れて・・。」
私は少し、取り乱した。
顔を赤くした。


ノゾミ「そ、そんな訳ないでしょ。ただ時間潰しよ。
まったく恐ろしい事を言う子だわ。」


ミカゲ「そうですか。」

ミカゲはぷいとそっぽを向いた。


ノゾミ「でも、勿論ミカゲの事も好きだから・・・一緒には居たいわよ。」


ミカゲ「ふふ、私もですよ。」


私はミカゲに対して素直に成れない。
でももっと素直に成るべきだ、私の唯一の甘えられる対象なんだから。


私はミカゲに体を寄せた。


ノゾミ「・・・・なんだか、あんたに負けた気がするわ。まあ良いのだけれど。」


私の唯一の家族、そして私が心から愛する存在。
私はミカゲが好きだ。
だから、彼女といつまでも一緒に居たい。

私はミカゲの手を握り、目を瞑り、寄り添い続けた。
何分も、何時間もそうしたかった。



―――――――――――――



真っ赤な血が色彩を占めている世界。
ここは黄泉だ。
私とミカゲは、千羽の鬼切りに斬られてしまい。
また眠りにつく事に成った。
良月が壊された私たちは、もう現世に姿を維持できなくなった。
力はみるみる衰えて行く。



ミカゲ「お姉様、今度は何年眠るのかしら・・。」

ノゾミ「ふふ、構わないわ。 主さまがいづれ復活して、私達を蘇らせてくださいますわ。
それまで待ちましょうよ。」


私たちが次に眠ったら、今度こそ目覚めるのは数千年後に成るかもしれない。
だけど、ミカゲと共に眠るなら、怖くも、悲しくも無かった。


ノゾミ「ミカゲ、もう私たちは長き眠りにつくわ。
怖く無いの?」


ミカゲ「はい。お姉様がいるなら、大丈夫です。」


ノゾミ「ふふ、いい子ね。」


私はミカゲに口づけをした。
ミカゲの唇に、口づけをしたのは始めてだった。
私達はこのまま、倒れた。



次に目覚めるのは何千年後だろうか。
今の文明は滅びて、また次の文明の時代に目覚めるのかもしれない。


そんな事はどうで良い。
ただミカゲと共に眠れるならば、永遠すら拒まない。






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プロフィール
21歳。 実家のカレー屋に勤務。 最終学歴は北嵯峨高等学校。 つまり高卒さ。(^o^)ゝ ぱっとしない平和な人生を歩む。 人生は難解だからこそ、神に預けよう(謎の台詞)       ☆家族 父・母・妹・犬で4人家族犬付き。       ☆性格  やや短気。感情的に成りがち。  せっかち。 ↑直すように努力したい・・、orz
HN:
紅月乃夜
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非公開
自己紹介:
☆独り言 人間は自分の内面に向かい、 性格を直すために生きているのか。 ならば私にやれる事はひとつ。 毎日を真面目に生きる事だ。
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